京都府立医科大学連携施設精神科専門医研修プログラム |
川越病院 精神科専攻医 募集 川越病院は、京都府立医科大学精神科専門医研修プログラムの連携施設として、日本専門医機構認定精神科専門医の取得を目指す精神科専攻医を募集しています。当院では、急性期治療から社会復帰まで精神科医療を幅広く経験することができます。当院を含むプログラム全体を通して、大学病院精神科、総合病院精神科、緩和ケア、精神科救急、そして地域精神科医療まで広く研修することができます。 |
わが国最古の公立の精神科病院である京都癲狂院の流れを汲む川越病院は、明治15年の創建以来この地域における精神科医療を担ってきました(当院沿革)。明治9年、癲狂院の医員 神戸文哉は、英国のHenry Maudsleyの著した「Insanity」を翻訳し「精神病約説」として刊行しましたが、これはわが国における最初の精神医学書として高く評価されています。 今日の川越病院は、精神一般病棟111床(男性閉鎖69床、女性閉鎖42床)と精神療養病棟51床(男女混合)を有し、措置入院・応急入院指定を受け、京都府南部精神科救急医療システム事業に参画し救急患者を受け入れる一方で、精神科作業療法、精神科デイケア、訪問看護を備え、近隣の就労支援施設等とも連携しつつ早期の社会復帰に繋がるよう支援を行っています。 川越病院では、積極的退院と社会復帰に向けた取組として、デイケア、作業療法、レクリエーション、訪問看護を活発に行っています。退院に向けては、ご家族にもできるだけ参加していただき、多職種での退院支援委員会を定期的に実施しています。デイケアでは毎週水曜に就労前活動として「喫茶活動」を行っています。デイケアで、近郊の哲学の道や吉田山への散歩や病院グラウンドでのスポーツなど積極的に体を動かすプログラムを取り入れているのも特長です。精神保健福祉士は、当院の第2種社会福祉事業の一環として、単身生活者を対象とした夕食会「したしみ会」を定期的に開いています。退院して1人暮らしを始める患者さん達が一緒に食事する機会になればという目的で始まった活動です。ステップホーム「花時計」は病院近隣にある共同住宅で、長期入院患者の地域生活への移行に向けた支援として、1人暮らしを体験、練習する場として利用されています。音楽祭やクリスマス会などの入院患者対象の各種レクリエーションも看護師や作業療法士が中心になり盛んに催されています。秋祭りはグラウンドで模擬店や各種プログラムを行いますが、地域に開放し、地域社会への精神疾患や障害に対する理解を求める機会として位置づけています。 早期退院・地域移行が精神科医療の今日的課題となる中で、川越病院は住宅地という立地条件を活かして、実際の生活の場でケアを継続しながら社会復帰を目指す地域密着型の精神科医療を展開しています。
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【川越病院での研修の特色】 このように当院は、同規模の精神科病院としては外来、救急対応、入院から退院、地域移行・地域定着までの包括的な精神科医療システムを効率的に確立しており、研修期間内で精神科病院における医療全般を経験するのに適しています。 入院では、統合失調症、気分障害、認知症、思春期・青年期、物質依存等を含む多様な精神疾患を経験できます。精神科専門医の取得だけでなく、精神保健指定医申請のためのレポート症例の経験と指導にも十分に配慮します。外来では診察場面を指導医のもとで学習するとともに、研修期間内に1人の精神科医として外来を担当できるよう指導を受けていただけます。また学会・論文発表を奨励し、指導医より論文作成や学会発表の指導を受けることを通して、学術的な考え方を学べるように配慮します。 研修では、専攻医の希望や経験に合わせながら、きめ細かい指導を行っていきます。 |
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1. 患者及び家族との面談 2. 疾患の概念と病態の理解 3. 診断と治療計画 4. 補助検査法(神経学的検査、心理検査、CTなど) 5. 薬物療法 6. 精神療法、認知行動療法 7. 心理社会的療法、精神科リハビリテーション 8. 地域精神医療・保健・福祉 9. 精神科救急 10. 法と精神医学(医療法、精神保健福祉法、成年後見制度など) 11. 医の倫理(人権の尊重とインフォームド・コンセント) 【精神科専門医指導医】 清水 達夫 西村 伊三男 上田 ゆかり |
副院長 西村伊三男 皆さんは、どのような理由で精神科を将来の進路の候補のひとつとして考慮されていますか?このホームページを見ていただいた皆さんの多くは、臨床研修後にどの診療科を専攻するか迷われていたり、どの病院で精神科臨床を学ぼうか検討されている方であろうと思います。私が医師になってしばしば受けた質問のひとつが、やはり、「なぜ精神科医になられたのですか?」というものでした。大学卒業を控えた私は、神経科学・生命科学研究がめざましく発展していたなかで、未解明の部分の多い精神疾患の研究に貢献したいと考え進路を決めました。大学の精神医学教室で教員として勤務していた時期には、できるだけ多くの医学生、研修医、専攻医に精神科に興味をもってもらい、その中から精神疾患の研究に進まれる方が出ることを望んでいました。 精神医学は心理学や力動的精神病理学から生物学的精神医学、薬物療法から精神療法、さらには産業精神医学や司法精神医学などと幅の広い領域であるだけに、皆さんの興味もまた様々でしょう。 しかし、将来皆さんが精神科医療・精神医学のどの分野で活躍されるにしても、精神疾患で苦しむ患者さんの回復に何らかの形で寄与したいという思いに変わりはないはずです。 川越病院では長年にわたる精神科医療の実践のなかで、医師を中心とした多職種のスタッフが、専門家の視点とともに、「同じ目線に立って優しく患者さんに接する」ことを心がけ、患者さんの全人的な回復を目指した包括的な精神科医療に取り組んできました。 私は今、精神科を考慮されている皆さんに、診断・初期治療から精神科リハビリテーション、社会復帰への支援にまで拡がる精神科医療を、この川越病院で経験していただきたいと思います。精神科医としてのキャリア形成の初期に川越病院において研修されることは、患者さんに優しくバランスのとれた精神科医としての基本姿勢を確立していく上で貴重な経験になると確信しています。
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川越病院での専門医研修にご興味を持っていただいた先生方のご相談・見学 〒606-8412 京都市左京区浄土寺馬場町48 Tel:075-771-2972 / Fax:075-771-0725 一般財団法人 川越病院 専門医研修担当(西村伊三男)
京都府立医科大学の
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